バイオヘルシーの浅い思い出③
恐怖!バイオ金魚錬成
小学生の頃のお話です。
特にオチはありません。
さてさて家庭科の調理実習で凄いもの作ってしまった我らチームBHの面々。あれ以来、最終兵器として色々な場面で名前が登場し他のクラスの女子も知ってるくらいに有名な生物兵器となりました。(全クラスで2クラス)
※こちらの記事を参照。
あれ以来、様々な改良が加わりまして、校庭に白線を引く粉、プールの塩素、わたパチ等、目に付いたものをどんどん入れた結果ビンも日増しに大きくなっていきました。
するとある日
リョウ君「流石に使おう」
とのことでイトウ君の顔が歪みます。当時、イトウ君は第二図書室にあった「まんがでわかる世界発明品図鑑」に載っていたインディアンに酷似していたので、インディーというニックネームで親しまれていました。
顔が歪んだイトウ君ことインディーをよそに話がどんどん大きくなります。
僕
「どうするの」
リョウ君
「インディーは故郷の味が恋しいはずだ」
マコト君
「再現してやるよ」
ショウ君
「イエローモンキー!イエローモンキー!」
リョウ君
「これよりバイオヘルシー丼の製作を開始する」
マコト君
「お袋の味だぞインディー」
ショウ君
「ハングリー!ハングリー!」
インディー
「アワワ…」
という企画がスタートしました。
そもそも何故アメリカのインディアンの故郷の味に「丼」が入るのかはこの際、触れないでおきます。
後日、リョウ君が学校にお米を持ちこみました。炊かれてない、生米です。
その日の放課後に、5-2に集まってイトウ君に食べさせるという企画が始まりました。
しかし、ここは学校。当然ながら炊飯器があるわけもなく、プラスチックの容器に入れられた生米にリョウ君はバイオヘルシーをそのまま流し込み「完成だ」と言い放ちました。
机に座って完成を待つインディーの目の前に出された異物。イトウ君は食べる気はさらさらありませんでしたでしょうがそこで気が収まるリョウ君ではありません。
インディー
「リョウ君やめて!俺死んじゃう!」
リョウ君
「ウルサーイ!くそインディーはやく食べろ!故郷の味だろ!」
マコト
「ほらインディーみろ!わたパチがパチパチいってるぞ!」
ショウ君
「おいちいのう!おいちいのう!」
ここまで書いておいてアレですがインディー君はものすごく良い奴で、今も仲良しです。決して田舎のダークな面ではありません。
するとそこへ
「お前らいつまで遊んでるんだ!」
と担任の先生がたまたま通りかかりました。時計を見るともう18時前、小学生にしては帰りが遅いです。
言われるがままにすごすごと帰ることにしました。一命を取り留めたインディー。こんな時は先生に感謝です。
その帰り道にて、僕の帰り道はインディー君と一緒でした。
僕
「そういえばバイオヘルシー丼、どうしたの」
インディー
「リョウ君にまた食べさせられるの嫌だったから帰り際に金魚の水槽に全部入れてきたよ」
次の日
学校に登校すると教室が案の定ザワザワと。
なんと、教室で飼っていた5匹の大きな金魚のうち4匹が無残にも水槽に浮いているではありませんか。(すっとぼけ)
生き物係だったハナエちゃんが泣いていたのを覚えています。
昨日まであんなに元気だったのに…と。
水槽自体は苔が多く、皆気づいていませんでしたが僕らは気づいていました。
水が若干、ムラサキ色だということに。
そして水底に沈んでいる米粒に。
これがバレては大変なことになります。
僕たちは急いで「インディーが家で熱帯魚を飼っているから水槽は洗える」と生き物係に嘘をつき5人で水槽を洗って証拠を隠滅しました。
とりあえず事態は収まりまして、先生や他の生徒にバレることもありませんでした。
リョウ君
「いやぁ危なかった」
マコト
「死んだ金魚、埋葬する前に解剖しようぜ」
ショウ君
「大日本帝国!バンザーイ!」
インディー
「リョウ君…」
インディー
「いや!リョウ君!おれ死んでた!昨日食べたら!俺!死んでた!」
この必死の訴えに対して
リョウ君
「イトウは大丈夫だ。インディアンだからな。」
そんなことがありました。
その後、僕らはバイオヘルシーが投入された水槽で奇跡的に残った1匹にナオヒロ(イトウ君のお父さんの本名)と名付け、大切に飼いました。
しかしこのナオヒロさんも後日、大変な目にあいます。それはまた別のお話。